日本と海外の会議の違い

海外との会議で最初よく思ったのは、「なぜ皆こんな初歩的な質問をするんだろう」という疑問だ。中には自分が参加していることを主張するために質問するとか、単に聞き返すだけの人も多い。だが、これに慣れてくると実はこの方が効率的なのではないかと思うようになってしまうから不思議だ。

逆に海外から言われるのは、なぜ日本人は会議中や顧客訪問中にウトウトする人がいるんだという点だ。彼らにとっては顧客との会議中に寝ている人がいるのが信じられないらしい。確かに思い起こすと外国人が会議中に寝ているのはほとんど見たことがない。といっても自分自身もつい睡魔が襲ってくることもあり、人のことは言えない。

彼らは常に発言しようと身構えているので、会話にEngage、つまり、積極的に参加している。人間しゃべりながら寝ることはできないからだ。試しに日本の会議でも眠くなった時に何でもよいから質問をしてみると、見事に眠気が飛ぶ。

こういう会議に慣れた外国人が日本に来て会議をするとあまりの反応のなさにびっくりして帰っていく。自分のプレゼンに問題があったのかとか聞かれるので、いつも言葉と文化の問題だろうと答えておくのだが。

日本でもアクティブラーニングということが言われるようになっているが、確かに誰かの講義をウトウトしながら聞いているよりは、自分もたまに発言をしながら学んでいく方がよっぽど身になるのだろう。

海外留学時にもやはり授業中寝ているのは日本人が多く、向こうの学生はコーラ片手にたまにスナックでも食べながら質問しまくっていたが、寝ている人はあまり見かけなかった。

当然海外企業でも議事進行が完全に決まっていてその通りに粛々と進むものも稀にはあるが、たいていはすぐさま質問が入って、あちこちで議論が始まり収拾がつかなくなるが、そこで生まれるものも多い。

日本でも、完璧な資料を用意してそれを読み上げていくという会議から、簡単な1ページの図表だけを示して議論をするという会議がもう少し増えても良いのではないかと思う。

ISDA IBORプロトコル批准開始

予定通りISDAからIBORプロトコルの手続き開始のアナウンスメントが10/23にあった。といっても、大手金融機関はこれに先立つエスクロー期間に既に手続きを進めているので、開始時点から257社がすでに手続き済となっており、日本からもメガバンク、大手証券が既に批准者リストに名を連ねている。

先にアナウンスがあったように2021年1月25日が発効日となっている。大手行以外の批准は日本では現時点ではそれほど多くないようだが、今後急速に増えていくことが予想される。だが重要なのは、これに批准したからすべて終わりではないということだ。実際取引タイプごとにかなりの作業が必要になり、下手をすると移行に際して損失が発生したり、リスク量の変化からヘッジがワークしなくなったりする可能性もある。

先週行われたLCHとCMEのディスカウント変更がスムーズに行わたことを考えると、今のうちに相対取引は極力CCPにバックロードしておくというのも一つの手だろうし、早めにLIBOR取引を解約して新レートでの取引を入れるというのもありだろう。

実際CCPのディスカウント変更以降SOFRの取引は増えているようなので、やはりCCPのCleared Swapからマーケットが動いていく流れが今後も出てくるのだろう。