LIBOR改革の進捗についての海外当局の動きが加速

英国当局のFCAからアセマネ会社のCEO宛にLIBORからの移行を促すレターが先週木曜に送られたとFTが報じている。顧客からの要望を待つのではなく、自ら積極的にLIBORの使用を止めるようにとの通達だ。

LIBORからの移行が遅い銀行には中銀貸出の条件を厳格化するという話もある。2021年以降に満期を迎えるローンや債券も9月以降は新規で取り組むべきことは実質的にできなくなる模様だ。

記事にもあるように、FCAがここまで踏み込むのは異例とのことだが、さらに進めて責任者を指名させることもできると結ばれている。これはおそらく他の規制と同じように責任者を任命して、目標が達成できなかった際には、その個人が責めを負うということなのだろう。

確かに英国では、何か重大な問題があったときには責任者の個人資産の差し押さえをするという規制変更があってから、突然様々なプロセスが保守的になった。現在でも、英国法人が絡む意思決定だけは極端にConservativeと業界では言われているが、この個人責任の原則が関係しているものと予想される。

日本ではここまでする例は少ないが鉄道会社の事故で役員が裁判にかけられたりすることはあるので、全く新しい考えという訳ではない。いずれにしても、当局が業界に任せておいてはLIBOR移行は間に合わないと思ったのだろう。日本では、移行を急ぐようにとの発言が聞かれるくらいだと思うが、今後は同様の動きが加速していく可能性は高まっているものと思われる。