最新G-SIBスコア

久しぶりにG-SIBスコアが近年どう変化してきたか見てみたい。欧米の銀行を青で示したが、左に行くにつれ、つまり近年になると、スコアが減少している。DBなどの減り方はかなり急激だ。それでも数年前に比べると若干再上昇しているところも多くなっている。米系はバーゼルの計算ではなく、独自のMethod2を使っているため、このバーゼルベースのスコアはあくまでも目安だが、それでも傾向はつかめる。

一方緑の中国の銀行を見ると、ABCを筆頭に相変わらずスコアが上昇している。しかし他の銀行は上昇ペースが緩やかになってきている。ついに資本コストの削減努力を始めたのか、それとも単純に景気低迷によるものなのかもしれない。

赤の日本を見ると、2020年あたりにピークを迎えた後は順調にスコアが減ってきている。MUFGはこのままいくと230の閾値を下回って一つ下のバケットに移行するかもしれない。そうすると資本チャージが0.5ポイント下がるため、ROEが上昇することになる。みずほもかなり激しくスコアを減らしてきている。日本でもようやく資本コストやG-SIBサーチャージなどを意識するような経営が根付いきたということなのだろうか。

米系のMethod2の数字も念のため確認してみる。

大手の2024年の数字だけをプロットしてみたが、CitiとGSはもう少しで730の閾値を超えそうになっており、BoAとMSも630の閾値を超えそうなところまできている。Risk.netの記事によると、BoAが679となり閾値を超え、3.5%のサーチャージ適用となったと報じられていた。同じくJPMも980となり、5%サーチャージのバケットに入ったとのことだ。証券保有額、STWF、Total Exposure、OTCデリバの想定元本が増加の原因と報じられていたが、証券保有額には株価の上昇も影響を与えるのでさもありなんといったところだろう。あれだけコンプレッションを進めているのにデリバの想定元本の影響も一定程度あるので、単純にデリバティブ取引が活況だったのだろう。

年末にコンプレッションによるデリバティブの想定元本削減が進むのは毎年のことだが、今後はスコアの計算が年末だけではなく、一定期間の平均が取られるようになる可能性もあるので、常にポジションの削減努力を継続することが求められていくことになろう。