ドイツ銀行のアナリストがユーロが円同様のキャリー取引の通貨の仲間入りをしたというレポートを出している。低金利の円で資金を調達し、高金利通貨で運用するというキャリートレードは、主に円が主要通貨であったが、最近はユーロでキャリートレードをする資金の流れが出来てきている。欧州銀行が非居住者向けに出すローンも金融危機以降最高水準に達したとのことだ。
ユーロ圏の過去12ヶ月の国際収支黒字分455bnユーロのうち2/3はこうした資金の流れによるものとのことだ。これがユーロ安、為替のボラティリティ低下の一因になっている。一方で、こうした通貨はリスクオフになった時に急激な資金還流を招き、通貨高になりやすくなる。
通常は徐々に通貨安が進むが何か起きると一気に通貨高になるというのは円でよくみられる事象だが、これがユーロにも発生することになるのだろうか。こうなると円にとっても何らかの影響が出てくるのかもしれない。キャリー通貨が分散すると、以前あったような急激な円高が少なくなるのだろうか。