銀行が旅行会社になる?

日本ではオーバーバンキングにより、様々なビジネス機会への進出が検討されてきた。どちらかというと積極的な進出というよりは、既存の銀行業のパイが少なくなるといった懸念からだ。米国では銀行トップのJPMが旅行業への進出を着々と進めているようだ。

Wall Street Journalの記事によると、JPMは旅行予約システム、レストランのレビューを取り扱う食べログのような会社、高級旅行会社を次々と買収し、空港に高級ラウンジを建設したりしているようだ。確かに以前から独自のクレジットカード会社を持ち、旅行代金の決済等、何らかの関わり旅行業界とはを持ってきた。

旅行の予約の取り扱いを増やすプランを立てており、実現すれば2025年には米国3位の旅行取扱件数になる。当然Booking.comのような予約サイトには遠く及ばない件数ではあるものの、予約のみならず、様々なサービスを組み合わせることができるうえ、富裕層の支持を得ることは間違いない。旅行の次は自動車と住宅だという話も紹介されている。

確かに銀行は既に航空会社やホテルなどと深いつながりを持っており、うまくすれば旅行のあらゆる側面で関われることになる。アメリカンエクスプレスが第6位の旅行会社と言われることからも、金融と旅行にはある程度の親和性があるのかもしれない。金融で得た自動化、システム化を利用すれば、旅行のプロセスをより簡素化し、スムーズなものにできる可能性はある。

それにしても、JPMといえば銀行業において極めて成功している企業の一つである。そういった組織でリスクを取って新しいことが次々とトライされるというのが驚きだ。日々業務を担当している職員が何かを思いついて上に上げるという方法だとこうは動けないように思う。やはり今後の経営を考える経営トップの力なのだろうか。米国だと、このような動きに加えて、多くのスタートアップが参入してくるので、経済全体に活力が生まれる。

日本だと、同業他社が何をやっているかを調べてそれに追随するというケースは多いが、全く新しいことをやろうとするところが少ない気がする。何か新しいことをするときは、既存ビジネスが儲からなくなり仕方なく別のところに活路を求めるというのが一般的だ。日本にも、既存の銀行業務を守り続けるだけでなく、銀行業の将来像を常に考えられる経営トップが必要なのだろう。