通貨スワップの取引量が増えている

EURUSDとGBPUSDの通貨スワップの取引量が過去最高となったとClarusのブログで紹介されている。SDRに報告されたデータとのことなので基本的にはUS Personの報告データとなる。SDRの場合想定元本がそのまま報告されているわけではなく、$250mm超のように一定の水準以上という報告の仕方になる。あまりに大きな取引がリアルタイムレポーティングとして報告されると、誰が取引したかが特定されてしまったり、マーケットへのインパクトが大きくなってしまうからだ。

興味深いことに、巨額の取引が増えているという訳ではなく、細かいトレードが増えているようだ。つまり、あまり大きなサイズで取引をすることができないので、細かくトレードをしているという可能性がある。市場のボラティリティが大きくなり、SACCRへの移行もあったため、大手銀行がサイズの大きな取引を敬遠した可能性がある。

ただし、ドル円の通貨スワップについては特に取引量が増えていないようだ。ドル債の発行が少ないので、関連する通貨スワップが出ていないというのもあるが、それほど大きなインパクトがあるとは思えない。円安のため、ドル資産に投資するために通貨スワップを使う投資家が少ないのかもしれない。その割に最近のドル円ベーシスの動きは激しい。全体としては取引量が少ないが、たまに大きなスワップが行われるためにマーケットが動いているのだろうか。しばらくデータをモニタリングしてみたい。