規制により金融機関の意思決定が遅くなってきている

FEDが行ったアンケート調査の結果、多くの大手銀行がレポ金利高騰の理由として規制による制約を上げているという報道が出ている。同時に3/5の銀行は、9月の金利上昇は技術的なもので、一時的な要因によるものと回答している。

そして、個人的にはこれが最も重要だと思うが、ほとんどの銀行が、例え金利が高騰したとしても、すぐに行動に移せないと答えている。多くの銀行がこうした金利上昇の機会を捉えるには最低1日必要であり、3/4の銀行は1週間程度必要としている。

規制でバランスシートを減らさなければならないというニーズは確かにあるが、それでも10%にもなればさすがに少しくらい資金供給をしても良いと思っていたのだが、銀行上層部からバランスシートを減らせという号令がかかっているときに、社内の承認を取るのに時間がかかってしまうということなのだろう。

銀行はすべてにおいて社内のプロセスに時間がかかるようになっており、例え収益機会があったとしてもすぐに行動に移せない。ひたすらあらゆる部門の承認を取る必要があり、またそうした承認権限は一部の上昇部に集中しているため、直ちに動けなくなっているものと思われる。

もしかしたら規制の最大の悪l影響は、金融機関の意思決定能力を削いでしまったということなのかもしれない。自動化、電子化の流れの中で、マーケットは急速に変化しており、素早い対応が求められるようになっているものの、金融規制により、チェック項目が増えた上、罰金やレピュテーションリスクを恐れて、身動きが取れなくなっている。ここまでくると、金融機関ではなく機動的に動ける新規参入組の方が今後の金融の高度化を担う中心勢力になっていくのかもしれない。