米国債のCCPによる清算義務付けが決定

先週12月13日の水曜に米国SECから、米国債の清算集中規制を進める旨のアナウンスがあった。これまでレポの20%、リバースレポの30%、現物取引の13%しかクリアされておらず、大部分の取引が相対で行われてきたので、全体で26兆ドルといわれる米国債市場にとって大きな変化になる。

ゲンスラー委員長が指摘しているように、現状米国債レポ取引の多く(74%程度)がゼロヘアカット、つまりデリバで当初証拠金に当たる超過担保なしで取引されており、レバレッジがかかっている。これがCCPに移行することにより一律のヘアカットがかかることになる。10月に英国中銀から出されたDear CROレターでもレポのヘアカットが不十分であるとの指摘があり、すでにマーケットに若干影響が出始めているが、今後はレポのヘアカットにも大きな変化が起きる可能性が高い。

ゲンスラー氏のいつもの主張のように、クリアリングによってAll to Allの取引が増え、競争が促され、透明性が高まるとされている。ディーラーとしては、自己ポジションと相殺してヘアカットを計算することができなくなるので、顧客毎に担保を確保していくことになる。確かに透明性は増すだろうが、コストが上がることは間違いない。一方、ディーラーとしては、顧客から受け取った担保をそのままCCPにリハイポすることが認められるようである。

清算集中の対象であるが、レポについては
のメンバーとの取引についてはほぼ全て清算(内部取引は除く)、顧客取引についてもSponsored Repoの形でクリアリングが行われることになる。現物については、IDB(インターディーラーブローカー)プラットフォームにおける取引が対象となる。昨年9月に発表された当初案からするとだいぶ後退したようにも見える。ヘッジファンドなどには米国債の現物取引の清算は義務付けられておらず、レポのみが対象となる。

このルールは以下のような2年半の間に段階的に適用される。

15か月: CCPが顧客クリアリングなどのルールを最終化
9か月: 顧客サイドでの現物取引のクリアリングの準備
6か月: レポ取引についてのクリアリング準備

これによって担保ニーズが高まり、クリアリングに向けたシステム、オペレーションの整備などの準備が始まる。これがほかの国に広がるかどうかにも注目が集まる。おそらく事務の自動化やオペレーション負担増加を嫌う日本が最後になるだろうが、次は欧州の動向に注目が集まる。