米国ストレス結果発表

FRBの年次ストレステストの結果が公表された。最悪のシナリオでも自己資本比率が9.7%となり、最低資本要件を満たせるということで、特に大きな波乱はなかった。今年のシナリオは失業率10%まで上昇し、商業用不動産価格が40%の下落、住宅価格が28.5%下落、株価が55.5%下落というものだった。

しかし、個別に詳しくみていくと各行ともさらなるRWAの削減が必要であり、今後のマーケットの流動性に影響がありそうだ。特にCitiの結果が思ったより悪い。SCB(ストレス資本バッファ―)が3.6%となり、CET1比率のターゲットが11.5%から12%に上がりそうだ。Q1の比率が1.4%だったことを考えると、引き続き自社株買いに制限がかかる可能性が高い。

CitiはSA-CCRに移行した後にRWAを削減する必要に迫られ、為替取引などで急速に取引を減らしているとRisk.netなどに報道されていたが、これで更にリスク削減の動きに拍車がかかりそうだ。CitiのSCBは2020年が2.5%、2021年が2.7%だったため、これが3.6%になったというのは結構な上昇だ。詳細はSeeking Alphaにて紹介されている。

そのほかJPMとバンカメもSCBが0.8%から1%上昇し、株価を下げた。これを見ると、銀行は引き続きRWA削減を継続しなければならず、引き続き市場流動性に対する影響は発生しそうだ。