管理相場のメリット

中国が人民元の下落に歯止めをかけるべく銀行にドルを買わないよう指導しているとReutersが報じている。中国のゴールデンウィークに当たる10月にドルニーズが増えることを見越しての政策のようだ。厳密には、ドル買いニーズに対応する取引を行った際には、そのポジションを直ちにヘッジしてスクエアにするのではなく、しばらくオープンで持っておくようにとの要請だ。$50mmを超えるドルを買う企業は中銀の承認を取る必要があるとも書かれている。銀行に対して、顧客にドル買いを控えるよう促してもいるようだ。

$50mmというのは結構小さいように感じてしまうが、時期をずらせばある程度の取引はできるのかもしれない。しかし、こうした行動を指摘されたときのリスクはあるだろう。日本でも為替介入を行うことはあるが、こうした様々な手段が使えるのは中国のある意味強みなのだろう。人民元の変動が他通貨に比べて少ないのも、こうした理由があるのだろう。同様に金利変動も他通貨に比べると緩やかである。

色々な意見もあるだろうが、こうした市場変動が少ないということは、あらゆるメリットがある。最近話題になっている証拠金の増加についても、変動の少ない商品についてはその増加幅は少ない。といことは人民元のスワップを行った際の必要証拠金が少なくなり、取り引きコストが安いということになる。同時にストレスロスも少なくなるため、所要資本も少なくなる。つまりMVAとKVAが低くなる。

価格は市場が決めるべきというのも今では当然のこととして受け入れられているが、これは市場が完備であれば問題ない。規制強化により、収益機会があってもそのポジションを取れないことが多くなってくると、効率的市場仮設は成り立たなくなる。そうなるとある程度管理された相場の方が全体的な効率が良いということが起きてしまうのではないだろうか。

現状では大きな市場変動のあった米国金利スワップ、英国金利スワップ、コモディディスワップの取引コストはかなり高くなっている。一方日本円の当初証拠金はこれらの通貨に比べるとかなり低い水準にとどまっている。かといって、全てのマーケットを管理相場にするのは当然望ましくないのだが、ここまで来ると市場変動が少ない方が有利という状況になってきているように思う。