決済短縮化とポストトレード処理の重要性

米国では決済期間のT+1化が進められているが、欧州でも検討が始まっている。欧州金融市場協会(AFME)から、T+1を推進する際の潜在的な利点と課題というホワイトペーパーが出ている。既に多くの国でT+1化が進められているので、グローバルな慣行と整合的というメリットはある。

決済期間が短縮化されるということは、決済リスクが小さいくなるということで、必要な証拠金、資本、流動資産の削減につながる可能性がある。

デメリットとしては、T+1に移行すると当然オペレーションにかけられる時間が少なくなり、ミスも許されなくなるので、人海戦術では対応しにくくなる。所謂ポストトレード処理に負荷がかかるようになる。期限内に決済ができないフェイルが増える可能性もある。特に時差がある場合は、こうしたリスクが多くなる。

全般的なトーンとしては米国より若干慎重な印象を受けるが、様々な国が参加しており、決済システムも複雑な欧州ならではの視点も含まれている。時差という意味では大きな影響を受けるアジアも同じだろう。特にあらゆる国の資産を含むETFが対応に苦慮するという点が最大の問題点とされている。日本でも信託がこれに対応できるかどうかがカギを握るだろうから、その意味では同じ問題を抱えているといえる。

ただし、方向性としては、面倒なのでT+2のままで良いという方向性ではなく、様々な課題はあるものの、早めに準備を始め、T+1に向けて検討をすべきという結論のように読める。特にT+1化には様々なシステムかと自動化が必要である。

業界のタスクフォース設立が最終的な結論の一つとなっているが、日本においてもポストトレード処理の高度化については、早急に検討に着手する必要があると感じた。