日本のTrade Bookingは海外に追いつけるか

少し前にことになるが、CFTCから2019年7月に日本の電子取引基盤(ETP)業者に対するSEF登録免除が公表され、日本のETP規制と米国規制との同等性が認められるている。日本のETPは円金利スワップの5年、7年、10年が対象で、店頭デリバティブの残高が6兆円を超える金商業者同士の取引が規制対象となる。確か日本でETP業者として登録されているのは以下の7社と記憶している。最近はあまりチェックしていなかったのだが、ETPがどれくらい使われているのかリンクから確認してみる。

データの見えるところだけを4/30で拾ってみると、TotanでUeda Traditionで3件Prebonが0件、Traditionが1件見えている。BGCはリンク切れのように見える。ClearMarketsもIntraday Tradingのところに取引があれば表示されるということなのだろうか。他はデータが見つからないかアクセス権が必要なようだ。

GW前で取引が少ないからという事情もあるだろうが、大手市場参加者の5、7、10年のスワップのみで、リンクされたパッケージトレードが対象外になっているので、JSCCの統計情報で示されている件数と比較するとあまりにも少ない。

米国SEFの場合は、対象年限や範囲が広いため、どうせやるなら全部SEFに乗せてしまえということになるのかもしれないが、日本のETPの場合は、この件数だと全部乗せるのは避け、対象取引だけ手作業で対応しようという判断になりそうだ。あるいはパッケージ取引やBlock取引など、対象外になる取引が多いのかもしれない。規制逃れになるので無理だろうが、ひょっとしたら11年スワップとかにしているところもあったりするのだろうか。

いずれにしてもここまで件数が少ないと、制度としていかがなものか。米国SEFと同等と言い切ってしまうのも何となく気が引ける。同じデータをSDRで見てみると件数が桁違いだ。欧州も米国SEFとの同等性がかなり確保されているので、海外の金融機関の取引はほぼSDRで確認でき、日本の取引だけが見えなくなっているというように見える。

ここまでリアルタイムでレポートするにはシステム的にSTPが確保されていなければならないため、海外ではシステム開発がかなり進んでいる。日本はシステム開発をしなくても良いよう極力対象を絞っているので、手作業が続けられている。今後e-tradingが増えたり、データ活用が進むようになってくると、日本だけ取り残されてしまうのではないだろうか。