LCHが、来年から中国国債₍CGB)を担保として受け入れる予定とRisk誌が報じた。当面はドル建てとユーロ建のもののみとなるが、その後オフショアの人民元建ての国債も受け入れることを検討しているとのことだ。
グローバルでは、非現金担保の占める割合が60%であるのに対し、アジアでは20%だそうだ。昨今現金以外の担保ニーズが急速に高まっていることを考えると、アジアの市場参加者にとって歓迎すべき動きだろう。
あまり普段から見ないデータなので間違っているかもしれないが、これらの国債のサイズをちょっと調べてみると、ドル建てとユーロ建てのCGBが$41bn、オフショア人民元建てが$18bnであるようにみえる。昨年の外貨建てCGB発行額が$60bnくらいだったと思うので何か抜けているかもしれない。若干の誤差はあるだろうが、中国のサイズからするとかなり少ない印象だ。オンショアの中国国債が$14tnだとするとその0.4%しかない。
逆に言うとオンショアCGBが適格担保になればかなりのマーケットインパクトとなる。HKEXなどではオンショアCGBを受け入れることは問題ないだろうが、グローバルCCPがこれをどの程度認めるようになるかに注目が集まる。
中国は昔からオンショアのCGBへのアクセスが難しく、ディーラーがアクセストレードと称してTRSのような形で、CGBや社債などのリターンを提供してきた。一方でオフショアの債券が海外投資家向けに販売されていたが、オンショアとオフショアのベーシスが大きく、この裁定取引で収益を上げる取引をするタイプのトレーダーも多い。
Bond Connectなど、一連の市場開放政策を受けて徐々に市場環境が変わりつつあるが、デリバティブのネッティングも可能になったこともあり、今後はこうした国際化の流れが加速するかもしれない。