コロナウィルスがマーケットに与える影響

ウィルスをものともせず米国株は好調を維持しており、米企業の決算見通しもそれほど悪化していない。S&P500の成長率見通しは年初の9.6%から8.1%に下げられているが、それでもまだ高い成長見通しを維持している。

ただフォードなどは今回のコロナウィルスの件がどの程度ビジネスに影響を及ぼすかを見通すのは現時点では困難とのことで、収益インパクトを考慮していない。中国依存度の高いAppleなどは、収益の見通し幅を広げており、航空会社などもこのまま旅行自粛が続けばさすがに影響を受けてくるのではないかと思う。

これだけ日々ウィルス関連のニュースが出ているにもかかわらず、中国やその他のアジア株も暴落というところまで行っていない。中国株は最高値から6%程度の下落、香港株も4%程度の下落にとどまっている。一方で中国のGDP等の見通しを引き下げるアナリストは日に日に増えている。

おそらく、SARSの時など、過去にこうした不安にBetして市場急落を予想するファンドの多くがパフォーマンスを上げられなかったという記憶もあるだろうし、中央銀行の金融緩和が継続する中では、たとえ企業業績が悪化しても資産価格は上がると考えている市場参加者が多い様に見える。

とは言え、VIXなどの指数は徐々に上昇しており、不安感を持つ参加者の増加も見られる。FEDの金融緩和が継続し、大統領選挙もあるためしばらく株はロングかと思っていたのだが、少し雲行きが怪しくなってきた。若干株価暴落シナリオを見ておいた方が良いのかもしれない。