債券取引の即時報告が1分以内に

以前から話は出ていたが、債券取引の報告が取引執行後15分から1分以内に変更するとSECのゲンスラー委員長がコメントしている。債券市場の透明性を高めるための方策だが、米国では店頭デリバティブ取引についてもリアルタイムレポーティングが存在しており、取引後直ちにそれを明らかにするという方向がますます進んでいる。

ゲンスラー委員長の言い分では、テクノロジーの進化に併せて情報開示も進化すべきということだ。欧州でも即時報告についての意識は高い。確かに取引執行後にシステムにブックすれば、それがすぐにSTPで流れていくので、システム整備が終わっている銀行にとっては、それほど手間ということはない。こうした当局からの要請がテクノロジーの進歩と、自動化、標準化、効率化を推し進めているように思う。

なぜか日本ではこうした要請は聞かれないが、手作業が多いので技術的に難しいという事情もあるのかもしれない。ただ、海外の著しいテクノロジーの進歩と巨額のIT投資額をみると、日本と海外の差が急速に広がっているような気がしてならない。