AMERIBOR参照債券が発行された

LIBORからSOFRへの移行が叫ばれる中、銀行の調達コストを加味しないSOFRでの貸し出しに対する懸念が発生し、信用スプレッドを反映したレートの検討が進められてきた。

そしてついに今月初めにAmeribor参照の債券発行が行われたようだ。$375mmの5年債ということでそれほど大きなサイズではないが、地銀が発行するサイズとしてはまずまずの大きさだ。Ameribor参照の債券が発行されたとなると、Ameribor参照の金利スワップも行われるようになるのかもしれない。既にAmeribor参照のローンは取引されているようなので、意外と地方銀行や中堅銀行で広く利用される可能性が出てきた。

SOFRのターム物がまだ確立していないため、Ameriborがなくなった場合はSOFRにフォールバックするという条件になっているようで、今後はターム物のAmeriborも作られるようだ。

欧州ではこのような議論にはなっていないが、銀行の調達コストが急上昇した時に、リスクフリーのSOFRで貸し出しを続けてしまうと採算割れになってしまうという懸念は各国で高まっている。日本ではTIBORがあるから問題ないということなのかもしれないが、結局複数のレートが使われるようになるのだろうか。Ameribor vs SOFRのようなベーシススワップマーケットも生まれてくるのだろうか。

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