次期SEC議長候補が市場にもたらすもの

先週Gary Gensler氏が次期SEC議長候補になっているとの報道が相次いだ。ゲンスラー氏と言えば金融業界の方であれば覚えている方も多いと思うが、オバマ政権でCFTC長官を務めたやり手で、ドッド・フランク法導入時に様々な金融規制強化を推進した人物である。

個人的には金融業界の方向を決める際に規制が果たす役割が増えたのは彼の功績?によるところが大きい。バイデン氏と近く、昨年11月から金融規制等に関してアドバイスを行っていたので、今回の報道はそれほど驚きではないものの、前議長が規制緩和を進めてきただけに、今後の流れが一気に変わる可能性がある。

近年はブロックチェーン技術や仮想通貨について大学で講義したりしていたので、ビットコイン等の市場について新しい規制が入ってくるかもしれない。もともとGS出身者で、デリバティブ取引を支持する立場だったのが、金融危機を受けて完全にデリバティブ市場を抑えに行ったことを考えると、仮想通貨市場に同様の規制をかけ始めたとしても不思議ではない。以前見せたようななりふり構わず突進する推進力を見せれば、ビットコイン市場暴落の可能性は捨てきれない。

その他のフォーカスとしては、天候リスクの開示、職場のダイバーシティ等が予想されている。いずれにしても、業務遂行能力が高く、極めて有能な人物であることは間違いないので、そのまま議長に就任すれば、良くも悪くもマーケットに対する影響は大きくなるだろう。