中国から日本への資金シフト

中国当局が自国民の海外投資を制限しようとしているという報道があった。国内投資家がオフショア口座を新たに開設するのをブローカーに禁止するという内容だ。同時に中国政府が支配する中央匯金投資有限責任公司が8年ぶりに4大銀行への巨額投資をしたと報じられてい。今後6カ月にわたってこの投資は続けられるようだ。確かにこれを受けて株価は上昇している。

何とか中国の株式市場を支えようという動きの一環のようだ。逆に言うとそれほどまでに海外投資家が中国から資金を引き揚げているということのようだ。7月から9月までに海外投資家は中国A株を110億ドル程度売り越している。来年の企業収益予想は11.6%増とそれほど悪くないにもかかわらず、政治的リスクもあるので慎重な投資家が多い。GDP成長率も5%超えが予想されているので、経済データと投資家行動にギャップがあるように見える。

一方日本ではNISAの資金のかなりの部分が海外へ流れているものの、資金流入も続いている。中国と日本がこのような状況になるのは20年ぶりくらいではないだろうか。中国に回っていた資金の移動先としてインドと並んで日本が重要な候補先の一つになっている。日本に対する海外からの問い合わせも増えており、関心が高まっている。直近ではJapan Weeksも開催され、資産運用特区に関する検討も急ピッチで進められているようだ。ここまで盛り上がっているのは久しぶりなので、今後の動きに期待が集まる。