LIBORからRFRへのシフトを加速するには

あらゆる場面で何度も議論はされているが、実際にはなかなか具体的な動きにはつながらないのがLIBOR改革である。だが、そろそろ当局がしびれを切らす時期に入りつつある。既に各国でLIBORを参照する取引のデータを当局が求めているだろうが、今後は定期的にこの割合が減っているかを示していく必要が出てくるものと思われる。

こうした移行を加速させるにはいくつかのやリ方があるが、最も簡単なのは、LIBORにリンクした商品の残高に対して資本賦課を行うというものがある。またはLIBORにリンクした商品を適格担保から外してしまうとか、LCR上のHQLAから外してしまうという方法も考えうる。

ほかにもLIBORリスクをいつまでも過大に抱えている会社に対してスプレッド上乗せを義務付けCVAを積み増してしまうという意見も報道されていたが、CVAは公正価値なので、おそらくCVA Capitalに手を加える方が現実的だろう。

その他は、通常の銀行検査で指導を加えていく方法で、日本ではこちらの方がなじみがあるのかもしれない。

来年は海外のCCPでの割引率の変更も予定されており、実際に行動を起こさなければならない時期に入ってくる。欧米の金融機関の場合は資本賦課を導入すれば一気に経営層が動き出し、急速にシフトが進むことが予想される。

まずはLIBOR参照資産の正確な把握を今年中には進め、それがどの程度減っているのかを月次程度で示せるようにしておかなければならない。来年これが全く減っていないとなると、LIBOR改革に非協力的と思われても仕方がないだろう。