米国の決済短縮化のインパクト

SECが米国株、債券の決済期間のT+1化を打ち出し、8月から隔週でテストが始まっているが、欧州ETFに関して懸念する声が大きくなっている。欧州では約40%のファンドが米国関連の資産を扱っているため、ETFの決済がT+2で行われる一方、米国証券の決済がT+1になると、マーケットメーカーがミスマッチを埋めるべくファンディングコストを負担しなければならなくなることが懸念されている。期限に遅れてペナルティを科されるケースも増えるかもしれない。

米国内では大きな問題は生じないだろうが、ESMAが10/5付のペーパーで示した通り、ETF業界のコスト高につながる可能性がある。アジアではあまり話題になっていないが、同じ問題が発生するはずである。

大手行は問題ないかもしれないが、すべてのオペレーションがT+2決済を前提に作られているため、中小金融機関において、米国証券のみT+1にするための準備ができているのかどうかは心もとない。

これを避けるにはオートメーション化を進めるしかないのだろうが、アジアの場合はこれも遅れている。欧州ではETFのみ免除を検討するという話も聞かれるが、アジアも何らかの準備をしなくて良いのだろうか。日本の場合はETFが少なく投資信託も特殊なフローになっているのであまり問題ないのかもしれないが。。。