消去法による投資が活発化

欧州で少しでも金利のつく債券に大きなニーズが集まっている。先週はスペインが火曜の10年債入札で10bnユーロの発行額に対して53bnユーロの需要を集めている。イタリアは7bnの30年入札に対して47bnユーロの需要が集まった。その他の国も軒並み強い需要を年始から集めている。ECBが月間20bnユーロの債券購入を行っているうえ、金融緩和とマイナス金利政策を継続するという見込みから、このような旺盛な需要につながっている。現金をカストディアンに持っているとマイナス金利をチャージされるという事情もあってファンドマネジャーがプラス金利なら何でも書いたいというニーズもあるのかもしれない。

1月は比較的発行が多かったが2020年は欧州全体としてみるとそれほど発行額が例年に比べて多いわけではなさそうということもあり、投資家が我先に債券購入を進めているようだ。一方マイナス金利の発行が多いドイツ国債に対する需要はかなり弱い。

こうなると、リスクを見極めて投資をするというよりは、マイナス金利を食らうくらいなら、どんどん投資をするという行動を誘発してしまうのではないだろうか。低格付のハイイールド債などの投資も増え、行き場を失った資金があらゆるプラス金利のリスク資産に流入しているように見える。とは言え、大統領選までは米国は何としてでも市場を支えようとするだろうから、11月までは何とかもつのかもしれないが、12月前には資金を他人移した方が良さそうだ。