フェイルに対する欧州規制

今年の9月から、欧州で決済のフェイルに対する規制強化が行われるというニュースが出ている。日本では、もともとフェイルに対して厳しい立場をとる投資家が多かったが、海外では1日に数百から数千件のフェイルが恒常的に発生しているのが現状である。

現状債券の3%、株式の6%と結構なフェイルが発生しているという分析もあるため、債券、株式の取引コストに影響が出てもおかしくない。現場の感覚からすると、殆どのフェイルは数日のうちに解決し、大きな問題になることは少ないが、今後は業務フローを見直す必要がある。それでも不確実性を嫌う日本ではフェイルを問題視する傾向があるので、海外よりは対応が楽かもしれない(その割には連続休暇時に未決済残高が溜まることにはあまり問題視していないのも不思議ではあるが)。

基本的には欧州内の取引についての規制だが、EuroclearやClearstreamなどで決済する証券が対象になるので日本への影響も無視できないものと思われる。

マージンが急激に縮小する中取引コストだけが嵩んでいくが、今後の取引流動性に悪影響が出ないことを願うのみである。