米国債の流動性に注目が集まる

久しぶりに臨戦体制となった1週間だった。リーマンショックの初期と似たような雰囲気にも思えたが、マーケット変動は当時に比べても拡大してるように思えた。

特に取引流動性の枯渇が著しい。最も流動性があると思われていた米国債ですら、かなり乱高下し、取引スプレッドが上昇し、取引にかかる時間も長くなった。これがスワップやオプション取引にも波及している。

ICEのボラティリティーインデックスなどを見ても、コロナショック初期の変動を超えている。実は米国債の流動性問題が、各種資産やデリバティブ取引の変動を拡大させ、危機を増幅してるのかもしれない。ここまでの変動はかつてなかったと言う声も多く、ヘッジファンドが損失を被っていると言う報道も多い。スワップのb/oが4倍になったと言う報道もあった。ショートポジションをとっていたCTAの損失拡大も報じられている。

ここから更なる規制強化が予想されるが、それが流動性低下を加速される危険性もあるのではないか。実はこちらの方がリスクという気もする。規制強化により米国際取引から撤退をする投資家や銀行が増えると、市場流動性はさらに低下するだろう。それが金融全体にとって良いのかどうかよくわからないところである。